先日、こちらの記事でウェットスーツに入れるオリジナルワッペンは専門業者に依頼すれば作ろうと思えば作れる旨を簡単にご紹介しましたが、カッティングシートによるオリジナルマークも作ろうと思えばご家庭で作ることが可能です。
カッティングマークの場合、ワッペンの様にデザインだけ作って後は業者にお任せ、というのは実は難しく(後述します)、カッティングシートをデザイン通りにカットしてくれるプロッターを購入し、自前で用意する必要があります。
プロッターと言うとハードルが高く感じられるかもしれませんが、趣味用クラスの小型プロッターも存在しており、個人的におすすめなのはシルエットジャパンさんの「シルエットカメオ」という製品です。
専用のデザインアプリを使用するか、Adobe Illustratorに専用のプラグインを導入することでA4サイズ〜ほどに収まるデザインをカットすることができます。
専用のカッティング台紙にカッティングシートをマスキングテープで固定することで比較的細かいデザインでも思った以上に綺麗にカットすることが可能です。
ただあまりにも細かすぎるデザインは難しく、そこの塩梅は試行錯誤する必要があります。
Bluetooth接続でPCと無線で使用できる点も非常に便利です。
初期セットアップの方法や使い方は公式ウェブサイトで細かく紹介してくれています。
Adobe Illustratorのプラグインソフトに関して、「Illustrator 2023」・「Illustrator 2024」への対応は2024年2月末対応予定、とのことなので注意が必要です。
カッティング用のアイロンシートはEUROPORTさんで購入することが可能です。
EUROPORTさんのウェブサイトではカッティングしたマークを実際に対象物に圧着する方法も詳しく説明してくれています。家庭用アイロンで簡単に圧着することが可能です。
ただここで要注意な点として、EUROPORTさんでは様々な素材の衣服に対応した様々な種類のカッティング用のアイロンシートが購入できますが、実はウェットスーツにはほとんどまともに圧着できません。
もしウェットスーツに圧着する目的でアイロンシートを購入される場合は、「特殊生地用シート」の項の「撥水・ナイロン生地用【RWG】」という型番のシートを購入する必要があります。
この【RWG】という型番のシートはウェットスーツ素材のジャージにしっかり圧着できることを確認済みです。
ウェットスーツは特殊なジャージの上に撥水加工がしっかりとなされているため、全て試したわけではありませんがこれ以外のシートは圧着できないと考えて良さそうです。
前述した「カッティングマークはデザインだけ作って後は業者にお任せ、というのは実は難しい」というのはまさにこの点で、カッティングアイロンマークを作成してくれる業者さんは数あれど、ほとんどはTシャツその他衣服などを前提としており、想定外のウェットスーツに圧着できるかどうかの判断は業者さんに問い合わせてもまず間違いなく「わからない」という回答になるかと思われます。
また、このアイロンマークはジャージにのみ対応しており、ラバー素材には圧着できません。
ラバー素材用のアイロンシートは、ウェットスーツに綺麗に圧着させる為にウェットスーツのマークを長年作り続けてきた専門業者が「シートの薄さ、糊の配合」を研究して編み出したウェットスーツのためだけの独自の黄金比率があるらしく、簡単に真似できないものになっているそうです。
ウェットスーツ用マークの専門業者に依頼する為にはまず高額な「版」から作成しなければならず、最小ロットも決まっていますし、コネクションも必要で個人規模ではハードルがかなり高くなります。
ですから、「カッティングマークはデザインだけ作って後は業者にお任せ、というのは実は難しい」ので、上記の【RWG】という型番のシートが存在している以上、個人レベルでは自作してしまった方が圧倒的にコスパよく自作マーク(ジャージ素材のみの対応になりますが)が作成できます。
それでもウェットスーツのオリジナルマークだけのためのプロッターと考えると高い買い物なので、プロッターの本来の用途である衣服用のマーク作成、ステッカーの作成、カリグラフィなどに興味があればチェックしてみてください。
人によってはかなり夢のある面白いマシンだと思います。
その上で「EUROPORTで購入できる【RWG】という型番のシートはジャージのウェットスーツに圧着可能」ということを知っていただけたらと思います。
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